本来この寿虎屋酒造は創業より三百年以上も 「蔵酒はすべてろ過してから出荷すること」 を社訓として守ってきました。 しかし、このお酒はろ過をしていない生酒の原酒です。 社訓を破って出したお酒、醸造が終わったばかりのお酒に 一切何の手も加えないで、そのまま瓶詰めしたお酒です。 本来であれば、醸造蔵で蔵人たちだけしか飲めなかったお酒、 直接蔵に見学に行っても 酒の搾り時に巡り合わせた時にしか利き酒ができなかったお酒、搾り出されたお酒に、本当に何も手を加えない・・・ そのままを瓶に詰める。 それがこのお酒です。 飲んでみると、辛口ながら、山形のお酒らしく お米の味がしっかりと感じられるような奥の深さ。 飲み始めはさらりとして、のど越しはどっしりという感じ。 アルコール度数が20度以上あるという感じは一切しません。 酒のラベルにある「槽前(ふなまえ)」の槽(ふね)とは お酒を搾る道具のこを指します。 その形が舟の形に似ているのでこのように呼ばれています。 つまり「無ろ過槽前原酒」とは 搾りたての酒をそのまま瓶に詰めました ということの醸造蔵の宣言書みたいなものです。 まさにこに時期だけの、山形からの風物です。