それは平凡な小学三年生だったはずの私、高町なのはに訪れた小さな事件 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。 新たな出会いをきっかけに、再び動き出す運命。 迷いの森を進んでいく。思いを照らす小さな光はきっと心の中にある。 信じて進むと決めたから、行く先が例え暗闇の空でも。 魔法少女リリカルなのは 始まります アースラにて ブリッジ オペレータA:現地では既に2者による戦闘がかいしされているもようです オペレータB:中心となっているロストロギアのクラスはA+ 動作不安定ですが無差別攻撃の特性を見せています。 リンディ:じげんかんしょうがたのきんきぶっぴん……回収を急がないといけないわね クロノ・ハラオウン執務官、出られる? 転移座標の特定はできてます。命令があればいつでも それじゃクロノ、これより現地ので戦闘行動を停止とロストロギアの回収、両名からの事情聴取を。 了解です。艦長。 気を付けてね〜♪ ……はい、いってきます。 モニターにはなのはとフェイト2人の姿。 第八話 それは大いなる危機なの? 向き合う2人。 間に入ってくるクロノ。 ここは前回のラスト。 ユーノ:時空管理局……? まずは2人とも武器を引くんだ。 このまま戦闘行為を続けるなら…… アルフが空中から攻撃。クロノ防御。 フェイト! 撤退するよ、離れて! ジュエルシードを回収しようとするフェイトをクロノが攻撃。 フェイト:うぁっ! アルフ:フェイト!? なのは:フェイトちゃん! 追撃しようとするクロノをなのはが体を張って遮る。 その様子を見て驚くアルフとフェイト。 ダメ! やめて、撃たないで! アルフ:逃げるよフェイト、しっかり掴まって 逃げるフェイトを見上げるなのはとクロノ。 一部始終をモニター越しに監視していたアースラにて オペレータA戦闘行動は停止。捜索者の一方は逃走。 リンディ:追跡は? オペレータB:多重転移で逃走しています。追い切れませんね…… そう…… ま、戦闘行動は迅速に停止、ロストロギアの確保も終了。よしとしましょう 事情も色々聞けそうだしね。 公園でリンディのモニターが開く。 クロノ、お疲れさま。 すみません。片方は逃がしてしまいました。 う〜ん、ま、大丈夫よ でね、ちょっとお話を聞きたいからそっちの子達をアースラに案内してくれるかしら? 了解です。すぐに戻ります。 (ユーノ君、ユーノ君、ここって一体……) (時空管理局の次元航行船の中だね 簡単に言うといくつもある次元世界を自由に移動するそのための船) (あ、あんまかんたんじゃないかも) (……えっとね、なのはがくらしているせかいのほほかにも幾つもの世界があって 僕達の世界もその一つでその狭間を渡るのが小舟で それぞれの世界に干渉しあうようなできごとをかんりしてるのが彼ら時空管理局なの) (そう、なんだ……) ドアをくぐる。 クロノ:ああ、いつまでもその格好というのも窮屈だろう。バリアジャケットとデバイスは解除しても平気だよ あ、そっか。そうですね。それじゃあ…… 君も……元の姿に戻ってもいいんじゃないかな ああ、そういえばそうですね。ずっとこの姿でいたから忘れていました。 え?……ふえ? ユーノ人間形態へ。 なのはにこの姿を見せるのは久しぶりになるのかな ……ふえええええええええええ!? なのは? ユーノくんて、ユーノくんて、その、なに、えー、だって、ふえええ!? ……君達の間で何か見解の相違でも? えーと、な、なのは、僕達が最初に出会った時って僕はこの姿じゃ…… 違う違う! 最初からフェレットだったよ! うぅ〜ん…… ぽくぽくちーん ああああああ!! ああ、そうだそうだ、ごめんごめん。この姿見せてなかった だよね、そうだよね、びっくりした〜…… あ〜、ごほん……ちょっといいか。君タイの事情は良く知らないが艦長を待たせているので出来れば早めに話を聞きたいんだが あ、はい。 すみません。 では、こちらへ。 艦長、来てもらいました あっ…… 和風な艦長室に驚くなのは。 お疲れさま まぁお二人ともど〜ぞど〜ぞ、楽にして♪ ようかんとお茶を出されて。 クロノ:どうぞ なのは:は、はい…… リンディ:なるほど、そうですか。 あのロストロギア、ジュエルシードを発掘したのはあなただったんですね それで僕が回収しようと…… 立派だわ クロノ:だけど同時に無謀でもある。 ユーノ:…… あの、ロストロギアってなんあんですか リンディ: ああ、異質世界の遺産……っていってもわからないわね えっと 次元空間の中には幾つものせかいがあるの それぞれに生まれて育っていく世界 その中に、ごく稀に進化しすぎる世界があるの 技術や科学、進化しすぎたそれらが自分達の世界を滅ぼしてしまってその後に取り残された失われた世界の危険な技術の遺産。 クロノ:それらを総称してロストロギアと呼ぶ。 市往訪は不明だが、つかいようによっては世界どころが次元空間さえ滅ぼすほどのチカラサ持つことがある危険な技術 リンディ:しかるべき手続きを持ってしかるべき場所に保管されていなければいけない品物。 あなたたちが探しているロストギア、ジュエルシードは次元干渉型のエネルギー結晶体。 いくつかあつめて特定の方法で起動させれば空間内に次元心を引き起こし最悪の場合次元断層さえ巻き起こす危険物。 君とあの黒衣の魔導師がぶつかったときに発生した振動と爆発、あれが次元震だよ なのは、あの時のことを思い出す。 クロノ:たったひとつのジュエルシードの、全威力の何万分の一の発動でもあれだけの影響があるんだ。 複数個集まった時の影響は計り知れない。 ユーノ:聞いたことあります。 旧暦の462年、次元断層が起こったときのこと クロノ:ああ、あれはひどいものだった…… リンディ:隣接する次元世界がいくつも崩壊した、歴史に残る悲劇…… くりかえしちゃいけないわ。 緑茶に角砂糖を入れるリンディ。 驚くなのは。 なのは:あっ…… リンディ:これよりロストロギアジュエルシードの回収については時空管理局が全権を持ちます。 ユーノ、なのは:えっ……? クロノ:君達は今回のことは忘れて、それぞれの世界に戻って元通りに暮らすといい。 なのは:でも、そんな…… 次元干渉に関わる事件だ。民間人に介入して貰うレベルの話じゃない。 なのは:でも…… まぁ、急に言われても気持ちの整理もつかないでしょう。今夜一晩、こんばひとばんゆっくりかんがえてふたりではなしあって、それから改めてお話をしましょう おくっていこう。もとのばしょでいいね。 あ……はい…… とりあえず帰ろっか。 うん。 うんと、同い年くらい? うん、多分…… えと、もしかして怒ってたりする? そんなつもりじゃなかったんだけど、その、秘密にしてたみたいになっちゃって…… あ、ううん、びっくりはしたけどそれだけだよ その、ごめん、ありがとう。 えへへへ…… と、とりあえず…… ユーノ、フェレットに戻ってなのはの肩に。 普段はこっちの姿でいるほうが便利そうだから うん、そうだね 晩ご飯食べてそれからちゃんと考えよう。これからどうするか…… 夕日の公園を去る2人。 アースラにて なのはとフェイトのバトル映像。 すごいやぁ。どっちもAAAクラスの魔導師だよ ああ…… こっちのしろいふくのこはクロノくんのこのみっぽい可愛い子だし エイミィ、そんなことはどうでもいいんだよ! 魔力の平均値を見てもこの娘で127万、黒い服の子で143万! 最大発揮値は更にその3倍以上!! クロノくんより魔力だけなら上回っちゃってるね〜。 魔法は魔力値の大きさだけじゃない。 状況にあわせた応用力と的確に使用できる判断力だろ! それは勿論 信頼してるよ。アースラの切り札だもん、クロノくんは。 ……(むつけるクロノ) クロノ:あ、艦長! うん? ああ、2人のデータね。 はい。 確かにすごいこたちね これだけの魔力がろすとろぎあにそそぎこまれれば次元震が起こるのも頷ける リンディ:あの子達……なのはさんとユーノ君がジュエルシードを集めてる理由はわかったけど…… こっちの黒い服の子はなんでなのかしらね クロノ:随分と、必死な様子だった…… 何かよほど強い目的があるのか…… リンディ:目的、ね。 まだ小さな子よね。普通に育ってればまだ母親に甘えていたい年頃でしょうに…… 鳴海町。フェイトマンション。 腕を痛がるフェイト。 だめだよ、時空管理局まででてきたんじゃもうどうにもならないよ! にげようよ、ふたりでどっかにさ それは……だめだよ だって雑魚クラスならともかく、あいつ一流の魔導師だ! 本気で操作されたら、ここだっていつまでばれずにいられるか あのおにばばあんたのかあさんだって わけわかんないことばっかいうし ふぇいとにひどいことばっかするし かあさんのことわるくいわないで 言うよ! だって私、ふぇいとのことしんぱいだ! ふぇいとがかなしんでるとあたしの胸も千切れるようにいたいんだ ふぇいとがないてるとわたしもめとはなのおくがつんとしてどうしようもなくなるんだ ふぇいとがなくのもかなしむのも、わたしいやなんだよ わたしとアルフは……少しだけど精神リンクしてるからね。 ごめんね、アルフがいたいならあたし、もう悲しまないし泣かないよ。 愕然として床にひざまずくアルフ。 あたしはふぇいとにわらってしあわせになってほしいだけなんだ なんで、なんでわかってくれないんだよ ありがとうあるふ。 けどね、わたし、かあさんのねがいをかなえてあげたいの かあさんのためだけじゃない、きっと自分のため…… だからあともうすこし、さいごまでもうすこしだからあたしといっしょにがんばってくれる? 約束して。 あの人のいうなりじゃなくて、フェイトはフェイトのために、自分のためだけにがんばるって そしたら、私は必ずフェイトを守るから! うん…… なのは自室。 机の上でレイジングハートを介してアースラと通信するユーノ。 だから、僕もなのはもそちらに協力させていただきたいと。 クロノ:協力ねえ…… ユーノ:僕はともかくなのはの魔力はそちらにとっても有効な戦力だと思います ジュエルシードの回収、あの子達との戦闘。どちらにしてもそちらとしては便利に使えるはずです リンディ:うん、なかなか考えてますね。それならまぁいいでしょう か、かあさ……艦長! てつだってもらいましょう。こちらとしても切り札は温存したいもの。 ね、クロノ執務官? (納得いかない様子のクロノ)はい……ん? ……ふん!! リンディの視線を受けてつっけんどんな態度のクロノ。 リンディ:条件は二つよ 両名とも身柄を時空管理局の預かりとすること。それから指示を必ず守ること。 よくって? ユーノ:わかりました。 なのは、母と皿洗い。 なのはは踏み台を使う。 (なのは、決まったよ) (うん、ありがとうユーノ君) じゃあ桃子、なのは、お父さん達はちょっと裏山に出かけてくるからな。 母:うん、今夜も練習? 恭也:ああ なのは:気を付けてね 父:うん さて、行くか おう! 久しぶりだからな、びしびし行くぞ! ははは 美由紀:あ、まってまって私も見学! 恭也:くるなら早くしろよ。 美由紀:うん、ちょっとまって……あっ(転倒)あいったぁ…… 父:はは、美由紀、相変わらずだなお前は。 ふふ……(なのはと母、顔を見合わせながら) さ、これでお終いっと。 なのは:うん。 足元に寄ってくるユーノ 桃子:さて、それじゃあ、大事なお話ってなあに? なのは:うん…… (おかあさんにはなしたのはユーノ君と出会ってから今日までのこと。 魔法のことやユーノ君の正体はいえないけど、言えるかぎりのこと。 それから、そのために少し家を開けないといけないこと) もしかしたらあぶないかもしれないことなんだけど、大切な友達といっしょにはじめたこと、最後までやり通したいの。 桃子:うん なのは:心配、かけちゃうかもしれないけど 桃子:それはもう、いつだって心配よ。 顔を手で覆う桃子。 桃子:お母さんはお母さんだから、なのはのことが凄く心配。 その姿を見て落ち込むなのは。 桃子:……だけどね、なのはがどっちにするかまだ迷ってるなら危ないことはダメよって言うと思うけど。 でも、もう決めちゃってるんでしょ? 友達とはじめたこと、最後までちゃんとやり通すって。 なのはがあったその女の子と、もう一度話をしてみたいって。 なのは:うん…… 桃子:じゃあ、いってらっしゃい。後悔しないように。 なのはの頭に手を載せる桃子。 桃子:お父さんとお兄ちゃんは、お母さんがちゃんと説得しといたげる。 なのは:うん……ありがとう、お母さん! 自室で準備して置いた荷物を詰めたバッグを背負うなのは。 あっ…… 机の上に忘れていたレイジングハートに手をかざす。自ら収まるレイジングハート。それを首にかける。 闇夜を走る。月の下を走る。 (後戻りはもうできない。自分で決めた道。 自分が本当にやりたいこと!) フェイトとアルフのシーン。 そして時の庭園。 浮遊する四つのジュエルシードを前にプリシア。 はやく、はやくなさい、フェイト…… 約束の地が……アルハザードが待ってるの。 わたしの、わたしたちの救いの地が……! なのは 時空管理局の艦船アースラにてお世話になることになった私とユーノ君。 ユーノ かつて無い異常なジュエルシードの反応。そしてなのはとフェイトの再開 なのは フェイトちゃんのお母さんの願いとは。 次回、魔法少女リリカルなのは 第九話 決戦は海の上でなの。 リリカルマジカル負けないように!