今の状況を報告するぞ。 これだ。 1.セリアとかいう魔王に我は遅刻を取り消せと言った。 2.我は「遅刻に関する意見」を取り消そうとしたが、セリアに「漢に二言は無い」と言われた。 3.セリスが謎の腕輪を手に入れた。 4.我は「呪文詠唱型」。セリアは「速攻発動型」のスペルを使用可能。 5.スペルの発動速度で言えば、我が勝てる確率は低い。 6.我は理術を扱えるが、確実に「呪文詠唱型」なので、使用する場面が限られている。 7.理術は効力・威力の面にして最強を誇るが、魔力を100倍消費してしまう。 8.セリスを護っている以上、負けてる場面だけは、一人の男として見せたくない。 9.最終手段として神天使セリスの能力で、セリスを武器化して何とかする。(非常にやりたくない行為だが。) 以上だ。 リオ「何をどうすれば、奴に勝てるというのだ…。」 勝ち目が無い、元から我が勝てる確率なんぞ0%に等しいのだ。 セリス「…この教室内がセリア先生による魔方陣によって飲まれる時間まで、残り30秒だよ?」 …逃げ場が無い、この教室にはセリアの所為で扉はロックされ開かない…どうしたものか。 …。 悩み続けてる内に30秒が経過してしまった。 飲まれる教室。 転送される我等。 勝ち目の無い戦いに挑む我。 今日は、色々な意味でバッドデーだ。 …。 そんなこんなで校庭に到着。 地平線が見えん…周りは学園の窓とか外壁とかだ…。 セリア「この魔界は、学園87%、校庭13%で構成されてるから。」 …水とかどうするのだ…まさか、全て学長の魔力て賄えているとか言うなよ…。 セリア「キミの思っている通りなんだけどねっ♪」 …嘘だ!!!! セリア「嘘じゃないよ。本気と書いてマジだよ。」 なんという魔界…いや…なんという学園と言った方が正確だな。 セリス「えと…その…リオくん。」 リオ「ん?何だ?」 セリスが何か言おうとしてる…聞いてやるか。 セリス「頑張って。勝てなくてもいいから。」 そうだな…勝てなくてもいいから頑張るのも悪くないな。 セリア「ん〜、キミ…武器とか使えるん?」 武器…まぁまぁ使えたような気がするな。 リオ「うむ、多少は使えるぞ。」 セリア「じゃぁ、私の武器庫から一本だけ、剣を使っていいわよ♪」 そう言いながら目の前で、奇妙な扉を何もなかった空間に出現させるセリア。 セリア「一本だけだからね?」 リオ「承知した。」 …我は迷わず、その扉を潜る。 目の前に広がる剣の数に…騒然と我はしたが、そんな事はどうでもいい。 「禁止区域」と書かれた看板の向こうへ、我は進む。 そこにある、細身の剣を手に取る。 ズズズ…。 …そこで武器庫から強制転送か。 我は校庭に強制的に戻された。 一本取ったらソコで決定なのか…教師としてその辺の性格は直した方が良いと我は思うぞ? セリア「そうね…考慮しとくわ。実行は面倒だから、するかは不明だけど。」 面倒なのかよ…考慮するくらいなら実行しろよ!!! セリア「あ、審判は「みかん」ってセンセーにやらせるから。」 みかん「ぶーぶー、蜜柑食いながら試合なんて見ないでやるぅ。」 セリア「あの審判は使えないし、食欲旺盛だし…ってかそれしか取柄が無いから無視してていいわよ?」 無視って…この学園内の教師には、マトモな魔族はいないのか。 リオ「ふむ…みかん殿。」 みかん「ん?どーしたの?」 リオ「セリアの弱点はあるのか?」 我は直球で聞いてみる。 みかん「ぶっちゃけ、無い。ってか雑魚い術は逆効果で回復されるよん♪」 回復って…奴にとって雑魚級の術の範囲が不明なのは許容の範囲だが…戦闘能力が…どうなってるかだな。 うむ、一番の問題は戦闘能力だ!!! セリア「勝手に1人で納得すんな!!」 みかん「個人の勝手。考えるのも人それぞれだって。」 セリア「それはそうだけど…。」 リオ「…では、やろうか。」 我は鋭い目で、セリアを睨む。 セリア「ふーん…死ぬ覚悟は出来たかな?」 殺す気か…正気ではないな…あの教師。 元々からだけどな。 セリア「…さてと♪」 リオ「煉獄の理を開放。」 我が所持している武器に強烈な炎を纏わせる。 セリア「太陽降臨。」 …!! 暑い…暑い!! クソ…何とかせねば。 リオ「儚くば遠い閃光の果て、千羽戦場に刃の嵐を!! 『戦千堕刃』!!」 目の前に広がる紅の前に、数千の刃を理術で発生させる。 しかし、その数千の刃が、太陽によって消滅した。 リオ「…化け物か…。」 セリス「リオくん…よく頑張ったよ。」 セリア「ん〜、弱いね〜。ディスペルマジック。」 太陽が目の前で消えた。 …我の負けか…。 みかん「蜜柑うめーーーーーっ!!」 セリア「…ホント、この審判は食欲が旺盛で。」 セリアは呆れた顔をしている。 さて、我は負けて遅刻は帳消しを無効となった。 セリア「明日から授業が始まるから、絶対に遅刻しないように。」 リオ&セリス「はーい。」 やっと授業が始まるのか…。 この学園内…いや、教師に注目しとくか。 第六章に続く。