今日から正式に授業が開始されるらしい。 我は緊張してないが、セリスが固まって動かない。 どうしたものか…。 リオ「お〜い?セリス〜?生きてるか〜?」 セリス「…。」 返事がない、ただの屍のようだ。 …そんな事なんぞ言ってる場合ではない。 目の前にある、転送陣に行かなければならないのだ。 リオ「…持って行くか。」 我はセリスを抱っこしながら、転送陣に向かう。 コツ、コツ、コツ……ボコッッ!!!! …うおッ!! 何だ何だ何だ何だ!? 床が割れたぞ!? くそ…あの学長め…ボロい学室よこしやがって…。 リオ「…転送陣に行けん…。」 魔術で飛ぶか。 リオ「飛行低級魔術、フライ。」 …よし、我とセリスの学室に戻って来たぞ。 さぁ、転送陣に…っと。 ……。 起動しない…さっきの落下が原因で陣が破損したのか…? 我の魔術で強制修復させるか…。 リオ「我、名をリオ・ヘスティミア。魔と知…天と地を統べる使い手となりて我の嵩となる陣の修復と発動を命ずる!!」 …。 3分後。 リオ「…クソが…これでは、今朝も遅刻ではないか。」 とか言いながらも、我は転送陣で転送される。 …。 着いたぞ。 約4分遅刻したが。 セリア「遅刻魔王にでもなる気?」 リオ「そんな気は無い。断じて無いッ!!無いったら無いッ!!!」 セリア「…ふむ…。」 何だその”どうせ明日も遅刻するんだろ?”的な目線は。 そんな目で我を見るな!! …。 さてと…セリスを下ろすか。 リオ「セリス?教室だぞ。」 …反応が無い…ただの屍のようだ。 セリア「…今回は、転校生自体が問題児のようね。」 さらっと何言ってやがる。 ????「俺に任せろ。」 リオ「何だ貴様は。」 鍵「俺の名は”浅葱 鍵”だ。よろしく!!そして、学園一の変人でもある。」 リオ「…己から変人と名乗っている輩に、セリスを起こすのを手伝わせる訳には…」 鍵「起きろ――――――――――――――――――――!!!!!」 え…ちょっと…貴様ああぁぁぁぁぁあぁっぁぁ!!! リオ「セリス…早く起きろ。変な男に襲われるかもしれんぞ。」 セリス「ふぇ?」 鍵「そうはさせねぇ!!俺の能力で眠れ!!」 鍵「妄想秘技!!!『あの日の夜のウッハウハ!!!』」 なんて悪趣味な技の名前なんだ…。 リオ「うおぉぉぉおおおお!!させるかぁぁぁあぁぁ!!!」 セリス、寝るんじゃない、寝たら死ぬぞ!! セリア「〜♪」 ????「ねぇ、セリア――?」 セリア「何?ミカ。」 ミカ「状況を楽しんでないで、止めに入ろうよ。」 セリア「ん〜、だったら生徒であるアンタが止めれば?」 ミカ「…そだね。」 …何か来る!!! ミカ「ほいさっさ。」 その一閃、目にも留まらぬ速さで、体当たりぃぃぃ!!!! byミカ リオ「ぬおッ!!!」 鍵「ブグウハアァァァア!!!!」 浅葱よ…貴様の勇士を忘れてやろう。 鍵「ふははは!!!ミカよ!!!」 ミカ「…あ?」 ミカ殿…喧嘩売ってるようなその目線はどうしたものか。 鍵「俺は死なない!!妄想力ある限り!!」 ミカ「…五月蝿い。」 鍵「えぇ!?」 ミカ「…海の礎、水の水面…冷気凍土の神裁にて…」 セリア「ミカ?」 ミカ「…あ?」 セリア「水、冷気、海、凍土の属性を混ぜた魔法なんて”アレ”しか無いんだから、使ったらダメよ。」 ミカ「…学園全体が凍るしね。」 そこで、同意するのかよ!?ってか、浅葱一人を対象としてないじゃねぇか!!! リオ「…自重します。」 セリス「…?」 …。 まぁ、そんなこんなで朝のホームルームが終了。 結局的に、1時限、2時限の時間もとってしまった訳だが。 …。 そんなこんなで自己紹介だ。 リオ「リオ・ヘスティミアだ。よろしく。」 自己紹介なんて、ざっとこんなトコだろう。 セリス「えと…セリス・フォン・ウィザードです。よろしくですっ!!」 とりあえず、自己紹介は終了だな。 …やっと、授業に入れるのか…。 この先、思いやられるな…。 第七章に続く。